近年より一層人気に拍車が掛かっているラグスポウォッチジャンル。
過去に腕時計専門店のスタッフとして何千本と腕時計を見てきた私自身も一番好きなジャンルです。
普段から腕時計購入の相談を受けた際には一番最初に購入する時計としても強くおすすめしているラグスポ時計ですが、今回はそんな入門編としても最も手の出しやすい10万円台で購入できる超個人的なおすすめラグスポウォッチを厳選してみました。
これから本格的な腕時計を購入しよう!予算は大体10万円くらい、具体的なブランド・モデルは決まってないけど、オンオフ使えてダサくない時計が欲しい!と言う方はぜひ参考にしてもらえると嬉しいです。
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ラグスポとは?
具体的なブランド・モデルの紹介に入るまえに、まずはラグスポ、すなわちラグジュアリースポーツウォッチについておさらいしておきましょう。
ラグスポの歴史
ラグジュアリースポーツウォッチとは、その名の通り、ラグジュアリーな雰囲気をまとっているけれどもスポーティーな要素を併せ持った腕時計のことを指します。いいとこ取りですね。ちなみに時計以外のファッションでもよく使われたりする用語ですね。
何をもってしてラグスポとするのか?という議論はよくありますが、実は厳密な定義はありません。ただ、ラグスポといえば、ラウンドフェイスと角ばったフェイスが融合したような独特なフォルムが思い浮かぶ方が多いはず。実際ラグスポの祖はあのオーデマ・ピゲのロイヤルオークと言われています。
当時高級時計といえば、貴金属を用いるのが一般的でしたが、あのオーデマ・ピゲからステンレス製の、しかも値段も高価なロイヤルオークがリリースされたことは当時たいへん話題になったものの、当初はそこまで受け入れられませんでした*。
以降、ロイヤルオークの生みの親ともいえる天才時計デザイナーのジェラルド・ジェンタ氏が手掛けた腕時計(オメガ コンステレーションCやIWC インヂュニアなど彼の功績は多数)はその独特な共通するフォルムを成し、ラグスポ時計の先駆け的モデル*となりました。
*参照:ラグスポ生みの親?ジェラルド・ジェンタ氏とその作品は?
現代では、必ずしもステンレス素材のものばかりでなく、ラグスポテイストを色濃くしながらも、特に超高級時計ブランドにおいては、金無垢素材を多用したラグジュアリー路線強めのモデルラインアップが多数展開されています。
ラグスポのスタイル
ラグジュアリーでありながら、スポーティーな要素も併せ持つので、たとえばTシャツ一枚でもばっちりスタイルを格上げしてくれますし、一方でスーツスタイルにも遊びすぎずかっちりしすぎずでしっかり馴染みます。
すなわち一本持っておくとめちゃくちゃ重宝できるということですね。しかも見るからに高級そうに見えるにも関わらず嫌味がない(ステンレス素材がメイン、かつガシガシ使えそうなスポーツテイスト)ので、「お、なんかいい時計してる!!」とぱっと見でわかっちゃうのがラグスポの魅力です。
現在はその人気ぶりから各ブランドこぞってこのラグスポジャンルを狙って新作をリリースし、多種多様なラインアップが市場に出ていますので選択肢もどんどん豊富になってきています。
10万円台で買えるラグスポ時計一覧
最初に早見表ということで、今回ご紹介するラグスポウォッチの概要について、一覧表で掲載します。※左からブランド名、モデル名、モデルの説明、人気(個人の感想です)
モーリス・ラクロア アイコン | 人気 |
伝説的モデル、カリプソをオマージュして生まれ変わったアイコン。その名の通り、誕生から瞬く間に人気を博してまさに同社の「アイコン」とも呼べる存在に。 | ◎ |
ロータリー リージェント | 人気 |
同社創業125周年を記念してリリースされた特別なコレクション、リージェント。ケースと一体型のブレスレットや多角形のフォルムはラグスポ感満載。 | ○ |
ティソ PRX | 人気 |
ケースからブレスレットへの流れるような流線美がラグスポウォッチらしいティソのPRX。個人的にはやや玄人よりのイメージ。ラグスポだけどミーハーだとは思われたくない方には◎かも。 | ◎ |
ブローバ カーブ | 人気 |
シチズン傘下のブローバにもラグスポ感漂うモデルがリリースされています。多角形のベゼルはもちろん、ビス留めスタイルもクール。 | △ |
イエマ リストマスター トラベラー | 人気 |
フランス生まれのブランド、イエマ。八角形のベゼルスタイルに、ケースとブレスレットが一体化したような構造はラグスポ好きにはもってこいです。 | △ |
タグ・ホイヤー リンク | 人気 |
エレガンス・スポーツを掲げるタグ・ホイヤーのなかでも特にエレガンス色強めなリンク。知名度は今回ご紹介するブランドではダントツ。だけどリンクを持ってる人はそんなに多くないのでブランドステータスと他人と被りたくないのいいとこ取りをしたい人にはオススメ。 | △ |
モーリス・ラクロア アイコン
価格帯 | 65,000円〜 |
---|---|
ブランド知名度 | ★★★☆☆ |
バリエーション | 非常に豊富 |
クォーツ | 有り |
機械式 | 有り |
まずはモーリス・ラクロアのアイコン。
ここ数年でアイコンの人気は大大大爆発!雲上御三家、オーデマ ピゲのロイヤルオークに非常によく似たフォルムですが、両機を所有している方からも評価が高いほどの玄人も認めるラグスポ時計です。
直近だとここ最近の腕時計業界のトレンドカラーであるグリーン文字盤がリリースされるなど、ステンレスタイプや革ベルトも含めバリエーションも拡大しており、選択肢が豊富なのも嬉しいポイント。
よく見ると文字盤には凹凸の装飾が施されておりプレーンな文字盤の、のっぺり感を和らげ、繊細かつ高級感を添えてくれています。
オートマティックなら本格機械式としてのステータスも十分。最初に購入するなら無難とチャレンジの程よいバランス感のあるスマートで清潔感のあるブルー文字盤が個人的にはおすすめです。全体的ないかつさもバランス良い感じで、わりと手首の太さ・細さにも左右されない点もgood!
ロータリー リージェント
価格帯 | 65,000円〜 |
---|---|
ブランド知名度 | ★☆☆☆☆ |
バリエーション | 非常に豊富 |
クォーツ | 有り |
機械式 | 有り |
続いてはロータリーからリージェントの紹介です。
リージェントはイギリスの有名な観光地である美しい曲線を描いたリージェント・ストリートからその名を取ってつけられました。曲線と角が美しく融合し、ラグスポらしさをより一層深めてくれています。
時計をレンタルに貸し出してキャッシュバック!ヘアライン仕上げとミラー仕上げの組み合わせで緻密な高級感もプラス。ロータリーのブランド創業125周年を記念してリリースされた特別なコレクションです。
ラグスポとしての仕上がりに不似合いなほどリーズナブルな価格です。
ちなみに今回ご紹介するなかで、デザイン的なラグスポ度はリージェントが最も高いかと!とはいえモーリスラクロアほどの知名度がないのは正直なところ。が、しかしだからこそ「敢えて」の選択肢としてチョイスするのであればかなり上級者感だせるはず。
ティソ PRX
価格帯 | 50,000円〜 |
---|---|
ブランド知名度 | ★★★☆☆ |
バリエーション | 非常に豊富 |
クォーツ | 有り |
機械式 | 有り |
つづいてはティソのPRXです。ケースからブレスレットへの流れるような曲線美、スリムな厚みが上品なラグスポ時計。
価格帯も機械式でも9万円台から見つかる超コスパの良いラグスポ時計です。文字盤カラー含めバリエーションは多数展開されていますが、シルバー(ホワイト)だとブレスレットと同化気味でのぺっとする印象になりがちなので、メリハリの効いたブラック文字盤、あるいはブルー文字盤が個人的にはおすすめです。
ブローバ カーブ
価格帯 | 90,000円〜 |
---|---|
ブランド知名度 | ★☆☆☆☆ |
バリエーション | 豊富 |
クォーツ | 有り |
機械式 | 有り |
続いては我が国日本が誇るシチズン傘下にあるブローバのハイパフォーマンスラグスポ、カーブです。
世界初のカーブしたクロノグラフムーブメントを搭載した本機、高い技術力を誇る日本メーカーの傘下らしいスペックが備えられていますね。
とはいえ国内にありがちな堅実過ぎるデザインに寄っているわけでもなく、攻めの姿勢が感じられる欲張りなコレクションです。
見た目の美しさだけでなく、しっかり時計としての機能を高水準で装備していながら10万円前後の価格はかなりの高コスパといえるのではないでしょうか。
イエマ リストマスター トラベラー
価格帯 | 100,000円〜 |
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ブランド知名度 | ★☆☆☆☆ |
バリエーション | 普通 |
クォーツ | 無し |
機械式 | 有り |
続いてはイエマからリストマスターのトラベラーの紹介です。ケースと一体型のブレスレットや、角ばったケーススタイルはラグスポウォッチそのもの。
とくにケース形状は雲上ブランドのヴァシュロン・コンスタンタンの基幹モデルであるオーヴァーシーズを思わせます。デザインは非常にクールでありながらも個人的にはかなり通好みな選択肢だなと感じます。逆に言えばもっと人気が出ても全くおかしくない逸品かと!
タグ・ホイヤー リンク
価格帯 | 100,000円〜 |
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ブランド知名度 | ★★★★★ |
バリエーション | 非常に豊富 |
クォーツ | 有り |
機械式 | 有り |
ロレックスかオメガに次いで人気のタグ・ホイヤー。
スポーツモデルが印象の強い同社ですが、スポーツ・エレガンスを掲げるタグ・ホイヤーだけあって、ドレス寄りのモデルも忘れてはなりません。
ということで、タグ・ホイヤーのラグスポといえばリンクが挙げられるのではないでしょうか。タグ・ホイヤー本来の持つスポーツテイストイメージに、高級感漂う流れるような特徴的デザインのブレスレットで一気にラグスポ味が増しています。
デザインだけでなく、ステータスも!という方はぜひおすすめしたいところ。ちなみにタグ・ホイヤーは機械式時計はじめ本格時計の入門機ということもあって、当機をお持ちの方は非常に多いですが、リンクとなると数は多くありません。
なので、知名度は欲しいけど他人と被りたくない方にもおすすめな通寄りの選択肢と言えるでしょう。圧倒的なステータスを誇るタグ・ホイヤーですが、中古なら10万円前後で手に入れられるモデルも!
まとめ
いかがでしたか?
今回は10万円付近で購入できるラグスポ腕時計についてご紹介しました。オンにもオフにも使えて、他の時計とはデザイン性も高いラグスポウォッチ。初めての本格腕時計としてもぜひオススメです。