ラグジュアリースポーツウォッチ、通称「ラグスポ」の世界において、ジェラルド・ジェンタという名前を聞かない日はないでしょう。彼はまさにラグスポの生みの親として称される、伝説的な時計デザイナーです。ジェンタ氏の作品は、時計業界における革命的な存在として今も高く評価されています。今回はそんな彼にフォーカスしつつ、名作をみてみましょう。
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ジェラルド・ジェンタ氏とは?
ジェラルド・ジェンタ氏は、時計デザイン界での彼の多大な貢献により、多くの時計愛好家や専門家から「20世紀最も影響力のある時計デザイナー」とも称されています。彼の人生や背景を探ることで、彼がどのようにしてこの地位に上り詰めたのか、その理由が見えてきます。
幼少期と教育
ジェラルド・ジェンタは1931年にスイスのジュネーヴに生まれました。幼少期より絵を描くことが好きであり、彼のアートへの情熱は若い頃から明らかでした。彼の芸術的センスは、ジュネーヴの芸術学校での教育を通じてさらに磨かれました。
初期のキャリア
学校を卒業後、ジェンタ氏は様々なブランドのための時計ケースデザインを手掛けるようになります。その中でも、彼の名を一躍有名にしたのは1950年代後半に彼が手掛けたユニバーサル ジュネーヴのポラルーターです。
革命的なデザイン
1970年代初頭、ジェンタ氏はオーデマ・ピゲとのコラボレーションを果たし、ロイヤル オークを生み出します。この時計は、業界の常識を打破するデザインで、ジェンタ氏の名を世界に轟かせることとなりました。その後もパテック・フィリップのノーチラスやIWCのインジニュアなど、数々の名作を生み出し続けました。
ジェンタ氏の哲学
ジェラルド・ジェンタ氏のデザイン哲学は、常に革新的であること。彼は伝統的な時計デザインの枠を超え、新しい時代のデザインを追求し続けました。彼の作品には、機械的な美しさと洗練されたフォルムが融合しています。
ジェンタ氏の生み出した名作
ジェラルド・ジェンタ氏は多くの時計のアイコニックなデザインを手掛けました。ここでは彼の作品の中でも特に著名なコレクションについて見てみましょう。
オーデマ・ピゲ ロイヤルオーク
発表年:1972年
特徴:この時計はステンレススチール製のラグジュアリーウォッチとして初めて発表され、業界に大きな衝撃を与えました。ジェンタ氏は、一晩でこの時計のデザインを完成させたと言われています。八角形のベゼルと露出したビス、一体型のブレスレットは、その後の多くの時計デザインに影響を与えました。
パテック・フィリップ ノーチラス
発表年:1976年
特徴:ロイヤルオークに続いてジェンタ氏が手掛けたもう一つの名作。船の窓をモチーフとしたオーバル形状のケースが特徴的です。ステンレススチール製の高級時計として、ロイヤルオークと並ぶ人気を持つ作品となりました。
IWC インヂュニア SL
発表年:1976年
特徴:ジェンタ氏がデザインしたインヂュニア SLは、5本の露出したビスを持つ丸いベゼルが特徴的。このデザインは、ジェンタ氏の他の作品と共通する要素を持っており、彼のデザインの一貫性を感じさせます。
ブルガリ ブルガリ
発表年:1977年
特徴:この時計は、ベゼルにブランド名が2回刻印されているのが特徴。シンプルかつ洗練されたデザインは、都市的でモダンな印象を与えます。ジェンタ氏のデザイン哲学が色濃く反映された作品です。
ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ
発表年:1996年(但し、ジェンタ氏が関与したのはオーヴァーシーズの原型である「222」と言われる1977年のモデル)*
特徴:マルタ十字のモチーフが取り入れられたベゼルや、一体型のブレスレットが特徴的なデザイン。ジェンタ氏の手掛けた作品の中でも独自の存在感を放っています。
これらの作品は、ジェラルド・ジェンタ氏のデザインの傑作として、時計業界における彼の偉大さを証明しています。
*参照:【ヴァシュロン・コンスタンタン 222】ヴァシュロンのラグジュアリースポーツジャンルのパイオニア
まとめ
ジェラルド・ジェンタ氏は、その生涯を通じて時計デザインの新しい地平を切り開きました。彼の影響は今も多くの時計ブランドやデザイナーに受け継がれており、彼の遺した足跡は時計業界において永遠のものとなっています。