腕時計は数年、長ければ数十年いや一生モノとして購入される方も多いことでしょう。そんな長い時を共にする愛機を選ぶうえで、知っておきたいのがその歴史。
「いや、そんな過去のことには興味がない!」という方は静かにこのページを閉じて構いません!w実際歴史も重要ですが、個人的には見た目が最初の印象として最も重要だと思っていますので!
ただ、見た目がすごく好みな時計があったとしたら、その時計が何年に誕生したのか、同じラグジュアリースポーツウォッチのなかでどのくらいの歴史があるのか(重厚な歴史を持つのか、はたまた新進気鋭の時計なのか)知りたくなってきませんか・・・?
ということで、ラグジュアリースポーツウォッチを中心に腕時計好きな私自身がその歴史について気になってきたので今回まとめてみました。ラグスポ時計選びの参考に少しでもなれば嬉しいです。
※ちなみに、世間一般で言われている(頻度の高い)ラグスポだけでなく、筆者が個人的に考えるラグスポも組み込んでいます。
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ラグスポ時計の歴史一覧
まずは各種ブランドとコレクション、および発売年を一覧でみてみるとこのような形になります。
発売年 | ブランド | コレクション |
1911年 | カルティエ |
サントスデュモン
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1953年 | ブランパン |
フィフティファゾムス
|
1955年 | IWC | インヂュニア |
1967年 | オメガ |
コンステレーションC
|
1972年 | オーデマ ピゲ | ロイヤルオーク |
1973年 | ボーム&メルシエ | リビエラ |
1975年 | ジラール・ペルゴ | ロレアート |
1976年 | パテック フィリップ | ノーチラス |
1979年 | ピアジェ | ポロ |
1985年 | カルティエ | パシャ |
1988年 | ブルガリ | ディアゴノ |
1990年 | ブレゲ | マリーン |
1992年 | ロレックス | ヨットマスター |
1995年 | ブレゲ | アエロナバル |
1996年 | ヴァシュロン コンスタンタン |
オーヴァーシーズ
|
1997年 | パテック フィリップ | アクアノート |
2002年 | カルティエ | ロードスター |
2000年 | シャネル | J12 |
2008年 | ウブロ |
クラシック・フュージョン
|
2010年 | カルティエ |
カリブル・ドゥ・カルティエ
|
2012年 | ロレックス |
スカイドゥエラー
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2012年 | ブルガリ | オクト |
2016年 | モーリス・ラクロア | アイコン |
2019年 | ランゲ&ゾーネ | オデュッセウス |
2019年 | オーデマ ピゲ |
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ
|
2019年 | ショパール |
アルパインイーグル
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2019年 | ベル&ロス | BR05 |
2020年 | チューダー | ロイヤル |
2022年 | ゼニス |
デファイ スカイライン
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1970年代以前
ここからはラグスポの歴史をいくつかの時代に区分けしてそれぞれみていきましょう。まずはラグスポ元年時代ともいえる1970年代、より前の時代です。表を再掲します。
発売年 | ブランド | コレクション |
1911年 | カルティエ |
サントスデュモン
|
1953年 | ブランパン |
フィフティファゾムス
|
1955年 | IWC | インヂュニア |
1967年 | オメガ |
コンステレーションC
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このあたりは、そもそもカルティエのサントスをラグスポとするのか?!とかブランパンのフィフティファゾムスはスポーツウォッチでは?!とか賛否両論ありそうですし、筆者としても迷いどころではあったのですが、個人的にラグスポと位置づける、位置付けないの2択だとすると位置づけるという結論に至りました笑。このあたりはまた別立てでいつか掘り下げて書いてみようと思います。
本題に戻すと、歴史が最も古いラグジュアリースポーツウォッチはカルティエのサントスデュモンとなりました。それもそのはず。そもそもカルティエのサントスは世界で始めての腕時計とも言われているんですね。あの時代から既に洗練されたスタイルをほとんど完成させていたと思うと、流石のカルティエと思わざるを得ません。
そして1953年にはブランパンからフィフティファゾムスがリリースされます。ロレックスのサブマリーナーとどちらが最初のモダンダイバーズウォッチか?!はよく議論されるところのフィフティファゾムス。なんとも噛みそうなコレクション名です。ちなみにブランパンは現存する最古のメーカーと言われており、創業以来一貫して機械式時計しかつくらない、長い歴史をもつ老舗のウォッチブランドです。ダイバーズウォッチと謳われるだけあって、ラグスポとするにはかなりスポーツテイストの強いコレクションではありますが、高級機かつ歴史あるブランド、品格のある佇まいからラグスポ枠としてカウントしました。
1955年にはIWCのインヂュニアが発売されます。次点でオメガのコンステレーションCが入りますが、このあたりについてはまだラグスポとしてみなすことに抵抗がある方は少ないのではないでしょうか?両者のデザイナーがあの天才時計デザイナーと謳われるジェラルド・ジェンタ氏であるためです。
1970年代〜1980年代
続いてはラグスポ華の時代、1970〜1980年代です。いわゆるラグスポの祖と呼ばれるオーデマ ピゲのロイヤルオークが誕生したのもこの年代です。
発売年 | ブランド | コレクション |
1972年 | オーデマ ピゲ | ロイヤルオーク |
1973年 | ボーム&メルシエ | リビエラ |
1975年 | ジラール・ペルゴ | ロレアート |
1976年 | パテック フィリップ | ノーチラス |
1979年 | ピアジェ | ポロ |
1985年 | カルティエ | パシャ |
1988年 | ブルガリ | ディアゴノ |
個人的にはボーム&メルシエのリビエラ、そしてジラール・ペルゴのロレアートが既にこの時代に誕生していたことに改めて驚かされました。流石は老舗ブランド。得にジラール・ペルゴのロレアートはショパールのアルパインイーグルに続く形で近年より脚光を浴びていますね。
そして1976年には時計界の最高峰に君臨するパテック フィリップがノーチラスをリリースします。デザインを手掛けたのはやはりジェラルド・ジェンタ氏。近年においてはウォッチ業界でトレンドカラーとなったグリーンの文字盤の発表で世間を驚かせたと思いきや、後にはティファニーブルーカラーの文字盤を発表し、さらに世間を沸かせました。現代でも話題に事欠かないコレクションです。
1979年にはピアジェのポロがリリースされます。やはりこのようにみていくと、歴史あるメーカーは早くから現代でいうところのラグジュアリースポーツウォッチの製作・発売へと踏み込んでいたことがわかりますね。ピアジェのポロもアルパインイーグルやロレアートの人気に紐づくようにその知名度がぐっと急上昇しているというのが筆者の所感です(ちなみに超個人的な感想ですがポロ、アルパインイーグル、ロレアートならポロが一番好みです)。
1990年代〜2000年代
ここからは1990年代〜2000年代に発売されたラグスポを見ていきましょう。
発売年 | ブランド | コレクション |
1990年 | ブレゲ | マリーン |
1992年 | ロレックス | ヨットマスター |
1995年 | ブレゲ | アエロナバル |
1996年 | ヴァシュロン コンスタンタン |
オーヴァーシーズ
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1997年 | パテック フィリップ | アクアノート |
2002年 | カルティエ | ロードスター |
2000年 | シャネル | J12 |
2008年 | ウブロ |
クラシック・フュージョン
|
2010年 | カルティエ |
カリブル・ドゥ・カルティエ
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1990年代に入ると世界三大時計のヴァシュロン・コンスタンタンや、世界五大時計のブレゲからラグスポウォッチがリリースされ始めます。
1992年には最たる人気を誇ると言っても過言ではない、ロレックスからセーリングを愉しむようなセレブリティをターゲットにしたヨットマスターを発売。プラチナを素材に使用したクールでアーバンな雰囲気漂うロレジウムを始め、人気を博しています。
1997年にはパテック フィリップがノーチラスをよりエレガンスに仕上げたアクアノートを発表しました。特許を取得しているトロピカルラバーバンドがより都会的な雰囲気を演出するのに一役買っています。
2000年代に入ってからはウブロのクラシック・フュージョンが発売され、ウブロらしいラグジュアリーなテイストを保ちながらもスーツスタイルにもよく似合い、かといってそのギラギラ感も失わないデザインで人気を獲得。ラグスポ要素として強いビス留めのデザインも印象的で、いかつめのラグスポウォッチと言ったところでしょうか。
2010年代〜現在
2010年代から現在に至ってもラグスポの人気は衰えることを知らず、多くのブランドからバリエーション豊かに展開されています。
発売年 | ブランド | コレクション |
2012年 | ロレックス |
スカイドゥエラー
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2012年 | ブルガリ | オクト |
2016年 | モーリス・ラクロア | アイコン |
2019年 | ランゲ&ゾーネ | オデュッセウス |
2019年 | オーデマ ピゲ |
CODE 11.59 バイ オーデマ ピゲ
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2019年 | ショパール |
アルパインイーグル
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2019年 | ベル&ロス | BR05 |
2020年 | チューダー | ロイヤル |
2022年 | ゼニス |
デファイ スカイライン
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2012年にはロレックスから複雑機構(レガッタクロノグラフ)を搭載したスカイドゥエラーが発売されました。同年にはブルガリから薄さを追求し、界隈からも非常に高く評価されているオクトをリリース。
2016年にはモーリス・ラクロアから過去の人気コレクションであるカリプソをオマージュしてアイコンをリリース。コレクション名通り、まさに同社のアイコンとなりました。アイコンのスタイルはよくオーデマ・ピゲに似ており、にも関わらず10〜20万円程度で手に入れられるということもあり、若い世代からも厚い支持を得ました。モーリス・ラクロアをきっかけに「ラグスポ」というジャンルを知る→オーデマ ピゲのロイヤルオークを知る、という流れを辿った方も多いのではないでしょうか?
2019年にはランゲ&ゾーネから待望のラグスポウォッチ、オデュッセウスが発売されました。世界5大時計ブランドのなかでは満を持してのラグスポウォッチのリリースです。予想通り、ランゲらしい完璧な完成度で発売当初から大変な人気を博しました。現在でも常に品薄の状況が続いています。
そして同年2019年にはラグスポ生みの親と言っても過言ではないオーデマ ピゲがCODE 11.59 バイ オーデマ ピゲを発表。次世代ラグスポの幕を開けました。
まとめ
いかがでしたか?今回はラグジュアリースポーツウォッチの歴史を錚々たるウォッチブランドの名機たちに焦点を当てながらまとめてみました。あなたが購入を検討しているラグスポは見つけられましたでしょうか?
少しでも狙っていたモデルの「欲しい」を後押しする参考になれば幸いです。