世界5大時計ブランドの一つに数えられるブレゲ。
精巧で緻密な造りをデザインとして魅せる技術は随一と言って良いでしょう。今回はそんなブレゲのハイクラスラグスポ、マリーンについて紹介します。
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ブレゲとは
まずはマリーンの紹介に入る前にブレゲそのものについて紹介します。天才時計技師、ブレゲの名をそのままブランド名に冠したブランド、ブレゲの軌跡とは・・・?
ブレゲの誕生
ブレゲの誕生は、メゾンの名としても知られる、アブラアン・ルイ・ブレゲ彼自身によってなされました。時代は1775年、ブレゲは老舗中の老舗ともいえます。
圧倒的な時計製造技術と美しい技工が織りなす時計は一つ一つが作品そのもの。顧客にはマリー・アントワネットやナポレオン・ボナパルトなど歴史上の人物が名を連ねる名門中の名門です。
ブレゲが開発した時計機構
アブラアン・ルイ・ブレゲによって開発された機構は実に時計界の機構の70%を占める友いわれており、「時計業界の歴史を200年早めた男」として有名で、「時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」ともしばしば表現されます。
彼が開発した機構のなかでも、特に有名なのが、
「トゥールビヨン」:動作による姿勢差を均一化、重力による精度の狂いを防ぐ
「ミニッツリピーター」:時刻を美しい「音」で伝えてくれる革新的な機構
「永久カレンダー」:閏年や月ごとの30日/31日の区別を自動で行い、調整が永久に不要な仕組み
この3つの機構は数ある時計界における複雑機構のなかでも特に難易度が高いとされ、世
界三大複雑機構と呼ばれるほどです。その全てを彼自身が発明したとなると、いかにブレゲの技術や発想が並外れたものだったかが伺えます。※ちなみに上記3機構は現代でも世界で最高峰の技術力をもつ証的な位置付けの特殊機構です。
また機構そのものではなく、デザイン面でもその才能を遺憾なく発揮したのがブレゲ。ギョーシェ彫りやブレゲ針、コインエッジなど、ブレゲが生み出した装飾仕様も目を見張るものがあります。
ブレゲのマリーンの魅力
ここまではマリーンを擁する老舗メゾン、ブレゲについて紹介しました。以降は、今回の主題であるマリーンの魅力について詳しくみていきたいと思います。
ラグジュアリー色の強いラグスポウォッチをお探しの方はぜひご参考ください。
マリーンの誕生
ブレゲの誇るラグジュアリースポーツウォッチのマリーンは、1990年にその歴史をスタートさせました。当時デザインを担当したのはヨルグ・イゼッグ氏。
ドイツの時計デザイナーで、同じくラグジュアリースポーツウォッチであるヴァシュロン・コンスタンタンのオーヴァーシーズの前身となる222を手掛けたことでも有名*です。
*参照:【ヴァシュロン・コンスタンタン 222】ヴァシュロンのラグジュアリースポーツジャンルのパイオニア
気になる「マリーン」の名称の由来は、海の波の揺れでも精度高く時を刻む高精度の時計に由来する「マリン・クロノメーター」からきています。ブレゲの擁するコレクションのなかでも、ジャンルとしては「海」であるマリーンらしい納得のネーミングです。
マリーンの特徴
ブレゲらしいダイナミックでありながらも随所に繊細さが光るマリーンウォッチですが、ここではその特徴についてみていきましょう。
先述したブレゲのお家芸でもあるギョーシェ彫り、ブレゲ針、コインエッジがデザインとして採用されているのが特徴です。ちなみにギョーシェ彫りにおいては、「マリーン」の名らしく、海を思わせる波模様が象れられているのが特徴です。
また、業界にインパクトを与えた要素としては、防水性能を高めるための分厚いケースサイドの採用、繊細でエレガンス漂うブレゲのイメージを覆すようなスポーツウォッチならではのりゅーずガードの採用、そして立体的で高級機ならではの雰囲気を醸し出してくれるサンドウィッチ構造の採用が挙げられます。
オーデマ ピゲのロイヤルオークやパテック フィリップのノーチラスの誕生が1970年代だったことを踏まえると、ラグスポカテゴリとしては比較的後発のマリーン(ベースなったのは1700年代ですが)といえますが、やはりブレゲらしい軒並みならぬこだわりが詰め込まれていることがよくわかります。
ちなみに、ブレゲのマリーンはダイバーズウォッチとしてのスペックや仕様を持っているわけではありませんが、海や航海にインスパイアされたデザインと機能を持っています。その名の通り「マリーン」は海や船舶、航海に関連するテーマを持つコレクションで、このシリーズはエレガントかつスポーティーな要素を併せ持つデザインが特徴です。
ダイバーズウォッチは、水深数百メートルの防水性能を持ち、夜間や水中でも読み取りやすいルミノセンス、ベゼルの回転機能など、潜水時に必要な機能を持つ時計を指します。マリーンはこれらの特定の潜水機能を持つわけではないので、正確にはダイバーズウォッチとは言えません。しかし、高い防水性や、海洋や航海に関連するデザインが取り入れられています。
マリーンのデザイン
ブレゲの「マリーン」コレクションは、その独自のデザインで知られるラグジュアリースポーツウォッチとしての地位を築いています。以下はマリーンの特徴的なデザイン要素についての詳しい解説です。
ギョーシェ彫りの文字盤:
ブレゲはギョーシェ彫りの文字盤で知られており、マリーンコレクションも例外ではありません。この繊細な模様は、手作業で彫り込まれ、高級感と独特の美しさを放っています。
アップル型の針:
ブレゲの代名詞とも言えるブルーのアップル型の針は、マリーンにも採用されています。これにより、一目でブレゲの時計とわかる独自性が出ています。
ルビーのインデックス:
一部のモデルには、時間のインデックスとしてルビーが使用されており、高級感と色彩のアクセントを加えています。
堅牢なケース設計:
マリーンはスポーティなコレクションであるため、ケースは耐水性と耐衝撃性を持ってデザインされています。ケースの側面にはブレゲ独自のコインエッジ模様が施されています。
裏蓋の装飾:
一部のマリーンモデルには、ケースバックに航海に関連する装飾や彫刻が施されています。これにより、マリーンのテーマとブレゲの航海への歴史的な関わりが際立っています。
スポーティなストラップ:
マリーンのストラップは、ラバーやスポーティな革製のものが選ばれることが多く、アクティブなライフスタイルにもフィットします。
統一感のあるデザイン:
マリーンの各モデルは、ブレゲの伝統と現代のスポーツウォッチデザインが融合された、統一感のあるデザインを持っています。
これらのデザイン要素は、マリーンがブレゲの中で独特の位置を占める理由の一部です。歴史的背景と現代的な要素が見事に融合されており、多くの時計愛好家から高い評価を受けています。
マリーンの価格帯
ブレゲのマリーンで着目したいのはその価格帯。
もちろん私を含め一般人にとっては数百万円もする腕時計は並大抵の覚悟で購入することはできませんが、これだけの歴史とステータス、そして「世界5大ブランド」の一つであることを加味して、かつ、昨今の人気ぶりから市場価格が高騰しがちなラグジュアリースポーツウォッチというカテゴライズにしては、比較的、「まだ」手に取りやすい価格帯と言えるでしょう。ちなみに中古市場であれば100万円前後から手に入れることも可能です。
マリーンのラインアップ
マリーンの歴史は30年に渡りますが、これまでリリースされてきたマリーンを大きく分けると三世代にカテゴライズすることができます。
まずは初代マリーン。1990年にリリースされた同社初のラグジュアリースポーツウォッチと言っても良いマリーンです。当時は若者向けに普及を狙って誕生したとされています。とはいえゴールドとのコンビモデルも発売されており、ファンの間ではレア仕様となっています。
第2世代は名称も改めたマリーンⅡ。よりスポーティーカラーを強めたマリーンⅡはケースサイズも初代に比べると大きめ。防水性能も100m防水に向上した見た目・性能ともによりスポーティーな要素を強めた作品群といえます。
文字盤のギョーシェにはこれまた海を思わせる渦状の模様が取り入れられ、吸い込まれるような独特な魅力を放ちます。
第3世代、すなわち最新世代におけるマリーンは第2世代と比べると大きくデザインをアップデート。波模様が大胆にデザインされた文字盤デザインとなり、より一層マリーンらしさを大胆に表現しています。
2022年には新作の「マリーン オーラ・ムンディ」を発表。 ブレゲらしい、独創的な路線を新たに加えた期待のニューモデルとなります。
マリーンにおいてはブレスレット、レザー、ラバータイプが揃っていますが、それぞれよりラグジュアリー、ややカジュアルシック、アーバンなニュアンスを強めてくれます。
まとめ
いかがでしたか?今回はハイエンドコレクション、マリーンについて紹介しました。
時代とともにマリーンコレクションも進化を遂げており、現在では多彩なモデルが展開されています。伝統的な手巻き時計から、クロノグラフやワールドタイム機能を持つ高度な機械時計まで、幅広い選択肢が提供されています。
世界5大ブランドの一つというだけあってやはり値が張りますが、一生ものの一本として時をともに刻めるような愛機となることでしょう。
ラグジュアリースポーツウォッチを検討中の方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。